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<4>自分から食べない「かまう」時間の確保を スマホを与えてしまう

2020年5月27日
一緒に過ごす時間

一緒に過ごす時間


 4歳男児の母親です(甲府市、40代)。親がかまってあげられないとき、スマートフォンやタブレットを与えると夢中で見ていてくれるので、ついつい与えてしまいます。何か悪影響がないか心配です。
 

 親が子どもにかまっている時間がないときに、子どもにスマホやタブレットを与えることは、何も悪くありません。何か悪影響がないか心配とのことですが、それは、幼児期からスマホやタブレットに接するという経験が、いまの親世代にないからでしょう。
 テレビが多くの家庭に普及した頃、「子どもにテレビを見せると悪影響が出るかもしれない」と心配した親がたくさんいました。エレキギターを子どもに買い与えると不良になると敬遠する親もいました。いまではどこの家にもテレビがあり、ほとんどの人が子どもの頃からテレビを見て立派な大人になっています。子ども向けのエレキギターの教室だってあります。タブレットも、今回のコロナウイルス感染症流行の影響で、授業に活用する学校が増えました。スマホやタブレットを子どもが見ることそのものは、問題ありません。
 問題は、親が子どもにかまう時間が少なくなることにあります。「かまう」というのは、同じ場所で何かを一緒にすることです。極端にいえば、一緒に同じスマホゲームをしたってかまいません。子どもの情緒発達にとって最も大事なのは、信頼できる大人がそばにいて、自分が夢中でしていることを笑顔で見守り、声をかけてくれることによる安心感なのです。
 できることなら、スマホやタブレット以外にも興味が持てて、一緒に過ごせる活動があるとよいとは思います。強引にスマホを取り上げるのではなく、他のオモチャを見せて一緒に遊ぼうと誘ったり、近くの公園で一緒に遊んだりすることで、結果としてスマホだけに没頭することを防ぐことができます。
 どんな親でも手が離せない時間は必ずあります。そんなとき、スマホやタブレットがあると助かります。スマホやタブレットがなかったとしても、親が忙しければ、他の物を与えるだけで、実質何も変わらないでしょう。スマホやタブレットの是非を考える前に、親自身が子どもと一緒に過ごす時間を確保することを考えてください。忙しすぎて子どものそばで過ごせる時間がない、あるいは子どものそばにずっといると煮詰まって自分がしんどい、と感じる親もいると思います。その場合、悪影響が心配されるのは親の心の健康です。子育てを手伝ってくれる大人や子育てについて相談に乗ってくれる人を探してください。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。