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<5>きょうだいへの接し方
「平等」ではなく「公平」に

2020年6月10日
平等? 公平?

平等? 公平?

【Q】
 10歳男児。2人きょうだいで、8歳の妹がいます。よく「妹ばかりひいきしている」と言われます。上の子への声かけはどうすればいいのでしょうか?

【A】
 親は子ども全員に対して平等に接しているつもりなのに、「ひいきしている」と言われることは、別に珍しくはありません。
 親から見て平等でも、子どもから見るとそうは思えないということです。極端な例を挙げると、チョコレートが大好きな子どもと大嫌いな子どもの2人がいる家庭で、「平等」という名のもとにおやつでチョコレートを出したら、当然チョコレートが嫌いな子どもから「ひいきしている」と言われます。
 では、それぞれ好きな物をあげれば、みんなが満足するでしょうか? そうとも言い切れません。「あっちの方が量が多い」「あっちの方が高そうだ」などと言い出したらキリがありません。「妹ばかりひいきしている」と言われたとき、「けっしてひいきなどしていない」と応じる必要はあります。でも、親がどんなに言い方を工夫しても、その場で答えるだけで子どもは納得しません。「ひいきしている」と訴える子どもの本当の気持ちは、「親の愛情が自分には向けられていないのではないか」という不安の表れであることが多いのです。
 なんでも同じ対応、いつも均等配分だと、「いつも自分は2分の1しかかまってもらえない」という感覚を持ち、満たされません。きょうだいのいる子どもたちには、「平等」ではなく「公平」な接し方が大事です。みんなに同じ対応をするのでなく、一人ひとりが「親は自分のことをわかってくれている」と思えるような対応をする必要があります。個々の好みや希望を的確につかみ、さりげなく満たしてあげる必要があります。また、ときどきでいいので一人ずつその子が主役になれる時間や場面を作るとよいでしょう。休日にその子だけ連れて外出するということがあってもよいと思います。もちろん、そのような機会は他の子たちにも必要ですが。「いつも2分の1」ではなく「親の気持ちがときどき100%自分に向いている」という実感があると、子どもが少し満たされた気持ちになり、「ひいき」と訴えることが減るかもしれません。
 ごくたまにですが、自分が圧倒的に優遇されないと気が済まないという子がいます。それと、親自身が本当に子どもにえこひいきしていて一部の子をかわいいと思えない場合があります。これらは通常とは異なる問題ですので、児童精神科などを受診する必要があります。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。