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<9>子の好み 変えられる?親が決めず見守って

2020年8月12日
何して遊ぶ?

何して遊ぶ?

 【Q】 
 4歳の女の子の母親です。娘は保育園で他の女の子とほとんど遊ばず、いつも男の子と園庭で走り回って遊んでいます。人形で遊ぶことはなく、ミニカーやプラレールが大好きです。もう少し女の子同士で遊ばせたいのですが、どうすればよいでしょうか?

 【A】 
 このご質問は、「わが子の好みを変えるにはどうすればよいか」と言い換えられます。
 他人の好みを変えることは、どの程度可能なのでしょう? それが自由自在にできれば、人生はかなり楽になりますよね。自分が好意を寄せている人に自分のことを好きになってもらうことが簡単にできれば、結婚で苦労せずにすみます。でも実際は、他人の好みを変えることはとても難しいのです。それは、自分が好きでもないものや好きでもない人を好きになれと詰め寄られたら、どんな気持ちがするかを考えれば、わかることです。
 大人同士なら簡単にわかることなのに、どういうわけか「自分の子どもの好みを親が変えることはできるはずだ」と期待する親は多いのです。この質問をされた親御さんもその一人でしょう。残念ながら、いくら親でもわが子の好みを変えることは、そう簡単ではありません。どんなに頑張っても無理なことも多いのです。
 もちろん、子ども自身で好みを変えていくこともないわけではありません。一時期は大好きなものでも、しばらくすると興味を失い、他に関心が移る場合はあります。だから、いま興味がないからといって、それを避ける必要もありません。ただ、子どもに見せても興味を示さなければ、しつこくするとかえって嫌がられるだけです。それは、自分に好意を持っているからといってストーカーを好きになるわけではないのと同様の心理です。
 逆に、自分が好きなことを親が認めないでいると、子どもは直感的に「自分は親に認めてもらえないんだな」と思う可能性があります。親が認めた相手、親が認めたオモチャで遊ばないと親の愛情が得られない、親がよいと思うことをやらないと人として認められないという気持ちがどこかで芽生えてしまうと、自信が持てず意欲の乏しい性格に育ってしまう可能性があります。
 子どもは、いつかは親の元を離れ、自分の意志で方向を決めて社会へ出ていきます。何を好み、どんな人生を歩むかを親が決めようとするのは間違っていますし、子どもの心の健康を損ねる危険があります。子どもが自分の好きな相手、好きなもので遊ぼうとするのを否定せず、温かく見守っていただきたいと思います。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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