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<12>息子がいじめる側に 家族関係から見直しを

2020年9月23日
いじめる側の心の問題は…

いじめる側の心の問題は…

【Q】
 10歳の男児の母親です。引っ込み思案の息子が、下校時に友人と一緒になってクラスの子をからかい、ランドセルを取り上げるなどいじわるをしていることが分かりました。周囲の大人が発見してすぐに謝りましたが、まさか自分の息子がいじめる側になるとは想像もしていませんでした。強く叱りましたが、これからどのように向き合えばいいのか悩んでいます。

【A】
 子ども同士のちょっとしたからかいやいじわるは、決して珍しくありません。しかし、特定の子どもが一方的なからかいやいじわるの対象となり、気軽にやり返せない雰囲気が生じると、陰湿ないじめにつながります。
 いじめは、基本的にはいじめる側の心の問題を反映します。軽い気持ちでやることや、他の子がやっているいじわるに、つい同調してしまうことは誰にでもあり得ます。でも、大人の前では引っ込み思案でも陰でいじわるの主犯になる場合もあります。他の子どもたちのいじめを知りながら見て見ぬふりをするのも、間接的ないじめへの加担とみなされます。
 立場の弱い人が主張や反論を抑え込まれた状態で攻撃されたり無視されたりして、尊厳を傷つけられることを「ハラスメント」と言います。大人でも珍しくはありません。どこの社会にも立場が強い人と弱い人は存在します。本来、立場が強い人は攻撃や無視などの態度をとる必要はありません。しかし、心に何らかの問題がある場合、しばしば弱い人への攻撃性が表れるのです。
 子ども同士のいじめが頻繁に生じる場合、周囲の大人たちの世界でハラスメントが常態化している可能性があります。両親の関係かもしれませんし、親が子どもに虐待しているのかもしれません。学校や地域の大人同士のハラスメントかもしれません。そのような環境をまずは大人が改善する努力が必要です。
 息子さんの場合、軽い気持ちでいじわるしただけであった可能性も十分あります。その場合、一度強く叱れば再発を防げます。何度も叱る必要はありません。今後、まずは家族同士の関係を見直し、誰かが一方的に命令したり意見を押し通したりする雰囲気にならないよう、気をつけてください。子どもを神経質に監視する必要はありませんが、家庭ではなるべく親子の会話や一緒に遊ぶ機会を増やし、友人関係に何か問題がないかどうかはさりげなく把握しておくようにしましょう。万が一いじめが繰り返されるようであれば、いじめを繰り返したくなる心の問題について、カウンセリングや診察を受けるとよいでしょう。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。