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<14>兄の障害 弟への伝え方は 否定的な言葉使わない

2020年10月28日
主役はどちら?

主役はどちら?

【Q】
 5歳と3歳の男児の母親です。5歳の兄が自閉スペクトラム症と診断されていて、対人関係が苦手です。いずれ弟に兄の障害について話さなくてはならないと思っていますが、その際の留意点や話すタイミングについて教えてください。

【A】
 きょうだいが慢性の病気や障害を持っていると、「なぜお兄ちゃんだけときどき病院に行くんだろう?」「なぜうまくしゃべらないんだろう?」などと、他のきょうだい児が疑問に思うのは当然です。いつかは説明しておく必要があります。説明する際には、大事な留意点が一つあります。それは、「病気や障害のある子を優先し、きょうだい児に我慢をさせている」ことの言い訳として説明してはならないということです。
 例えば、「お兄ちゃんは病気だから病院など用事が多くなる。だから、あなたの学校の用事にはあまり出られないけれど、そこは理解して協力してほしい」などと言ってはいけません。これまでに、そのようなことを親に言われてきょうだい児がぐれてしまったり、親に心を開かなくなったりした事例を何度か経験したことがあります。
 すべての子どもにとって、自分の人生は自分が中心に回らなければなりません。きょうだいに病気や障害があるからといって、自分が脇役ということはあってはならないのです。ところが、病気や障害のある子どもがいると、親は病院受診や療育などの用事が多くなります。ひとりだけ親と一緒に出掛けることが多いのは、他のきょうだい児の目には不公平に見えても仕方ありません。それだけで、「お兄ちゃんだけ何か特別な事情がありそうだ」ときょうだい児は感じているものです。親がきょうだい児に対してまずやるべきことは、特別な事情の有無とは関係なく親はすべての子どもを大切に思っているという姿勢を示すことです。病院などに行くときは、病気や障害のある子が主役です。それと同じように、きょうだい児が主役となって出掛ける機会を、日ごろから作るようにしておきたいものです。
 そのような下地を作りながら、きょうだいに病気や障害があることをさりげなく説明していくとよいと思います。タイミングはいつからでもかまいませんが、説明されるきょうだい児がわかるような言葉を用いて説明するのがよいでしょう。自閉スペクトラム症の場合、例えば「病院や支援センターにお話しの勉強に行っている」「何かにハマるとよく覚えている」などと、できるだけ否定的な言葉を使わない言い方を考えてみてください。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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