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<15>トラブル原因、共に探る
転籍後も学級行き渋り

2020年11月11日
本人の気持ち、理解を…。

本人の気持ち、理解を…。

【Q】
 小学5年生男児の母親です。最近、特別支援学級へ転籍しましたが、それでも行き渋りがあります。理由を聞くと「トラブルがあると全部俺のせいになる」「他の生徒も俺を責める」と言います。担任には「変なことで気を引こうとする」「悪口を言って同調させたりする」と言われました。扱いにくい生徒と思われているようです。フリースクールの方が良いのでしょうか?

【A】
 息子さんは、つらいと感じながらやっとの思いで登校されているようですね。このような状況が続くと、ストレスを感じ続けて、安心できず疑心暗鬼な状態が強くなっていく恐れがあります。
 息子さんは他の生徒だけでなく担任からもいじめの対象になっています。一方、担任にはいじめている自覚がなく、むしろ息子さんの行動の問題に手を焼いているようです。特別支援学級に転籍したということは、息子さんには発達障害または知的障害があるということなのでしょう。変なことをして他者の気を引こうとすることや、悪口がエスカレートすることは、発達障害の特性と関係あるのかもしれません。でも、そのことはいじめることの言い訳にはなりません。
 学校では、生徒より担任の方が強い立場にあります。したがって、担任が生徒に対して不快感や「迷惑している」という感情を持つと、教師によるいじめが生じやすくなります。担任が生徒自身のつらい気持ちに気づき、自らの感情をコントロールすれば、問題が改善する可能性はあります。担任がどうしても不快感をぬぐい切れないようであれば、プロとして失格です。とはいえ、感情のコントロールがうまくできない教師が一部にいるのも事実です。フリースクールに移るなど、環境を変えるのも一つの手段だと思いますが、絶対にうまくいくとは限りません。大事なのは学校・学級の形態ではなく、場を共にする担任・生徒のメンバー構成です。
 息子さんと他者との間でトラブルが起きるのはどんな時、どんな場面なのか。なぜ息子さんにはトラブルが多いのか。本人なりの言い分や気持ちはどのようなものか。これらを本人、保護者、担任をはじめとする学校の職員とが一緒に考えていく体制が必要です。トラブルが生じるメカニズムを考える際には、発達障害の特性にもとづく息子さん独自の思考パターンなどが影響している可能性も考慮しなければなりません。本人が安心して自分のやりたいことができ、かつ他の生徒と衝突せずにすむような環境を、柔軟な発想で考えていただきたいものです。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

 本田秀夫さんに聞きたい子育ての悩みや質問を受け付けます。住所、氏名、年齢、職業を明記し、郵便番号400-8515、甲府市北口2の6の10、山梨日日新聞社文化・くらし報道部「にじいろ子育て」係まで。ファクス055(231)3161、メールseikatu@sannichi.co.jp、「生活ワイドやまなし」のLINEアカウント(QRコードを読み込んで友だち登録する)でも受け付けます。紙上匿名。採用されない場合もあります。

「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。