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<17>不登校でゲーム漬け(2)

2020年12月9日
居心地の良い場所を

居心地の良い場所を

行政、医療、家庭 連携を

 【Q】 公立小学校3年生男児です。2年生から不登校になり、ゲーム漬けのひきこもり状態になってしまいました。食事・歯磨き・風呂・就寝のためにゲームを中断させるのがとても困難です。ゲームをとがめないことにしたら、カンシャクを起こすことはなくなりました。親と一緒に買い物や散歩に出掛けることはあります。このままゲーム依存になってしまわないか不安です。

 【A】 前回の続きです。
 二つ目の対応は、子どもが「自分の居場所」と思える場所を家以外に持つことの検討です。
 不登校になった子どもの大半は、学校のクラスを自分の居場所と思えていません。まずは、その理由を考えます。本人もうまく説明できないことが多いので、学校と親とが思い当たる情報を出し合いながら考えます。学校は、その子にとってクラスが居心地よくなるために最大限の工夫をする必要があります。その子が興味のある題材を扱う授業を行うことや、楽しみに思える活動を行事に取り入れるなどの工夫を行います。工夫の内容が子どもに伝わるように、日ごろから担任と親とは密に連絡を取り、クラスの予定を伝えておくことが重要です。
 このような工夫をしても、どうしてもクラスに入ることが難しい場合は、他の場所を検討します。各自治体の教育委員会は、不登校の子どもを対象とした「適応指導教室」を設置しています。地域によっては、民間の支援団体などが居場所を提供しています。塾や習い事の教室なら通うという場合もあります。これらが居場所になれば、子どもの孤立感、疎外感、自信低下をある程度防ぐことが期待できます。
 ただし、居場所探しは本人の意思を尊重しなければなりません。そこが自分にとって居場所と思えるかどうかは、本人にしか判断できません。親が強引に連れて行こうとして、反発した子どもがますます外に出なくなったという例もよく聞きます。どうしても自分にフィットする場所が見つからなければ、無理せず家で過ごすのがよいでしょう。外出しなくても、SNSやオンラインゲームを通じて居場所を得る子どももいます。
 学校は、子どもがいやがらない程度の頻度で子どもとの連絡を試み、無理な場合でも親とは連絡を取り続ける必要があります。学校からの連絡がなくなると、子どもは「見放された」と悲観的に捉えるおそれがあります。
 不登校の子どもを孤立させないため、教育委員会だけでなく、行政や医療機関なども連携し、多面的な協力体制をつくっておくことが重要です。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。