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<19>生徒にゲーム症疑い 学校でのストレス軽減

2021年1月13日
楽しみややりがいは…

楽しみややりがいは…

【Q】 中学校で養護教諭をしています。ゲーム症が疑われるような生徒が増えています。防ぐために学校がすべきことは何でしょうか。また、保健室に何ができるか教えてください。

【A】 最近改訂された国際的な精神疾患の分類であるICD-11で、「ゲーム症」という新しい診断概念が取り入れられました。ゲームを適度なところでやめて学業など必要なことをするといったコントロールができなくなり、生活に重大な影響を及ぼす状態が1年以上続くか重症である場合を指します。
 酒やギャンブルなどと同様に、ゲームも生活に支障がない程度に楽しむ人が大勢いるのに、一部の人は優先度が高くなり過ぎてしまいます。いわゆる依存症の状態です。酒やギャンブルを嗜む方はお分かりと思いますが、好きだからといって仕事に差し支えるほど飲み続けたりギャンブルをしたりすることは、普通はめったにありません。依存症になった人も、望んでそうなっているわけではありません。それでも飲酒やギャンブルの衝動が抑えられなくなる場合、なんらかのストレスからくるつらさがきっかけになりやすいのです。依存症では、こうしたつらさを相談できる場の確保が必要だと考えられています。
 現代の子どもでは、依存症の対象として、ゲームやインターネット使用がとても多くなっています。背景にストレスがあることは、大人における酒やギャンブルへの依存と同じです。子どもの場合、家庭や学校にストレスの原因があり、そこから気持ちを紛らわせるためにゲームやインターネットに没頭することが多いのです。
 ゲームに没頭しがちな子どもに対して学校でできることは、その子にとってストレスになっている要因を学校生活の中から少しでも減らすことです。授業内容が難し過ぎる場合、宿題が負担でやり切れない場合、先生とどうしても相性が良くない場合、同級生とトラブルを抱えている場合、部活でいじめを受けている場合など、いろいろな可能性がありますので、本人や家族と可能な限りコミュニケーションをとって、その要因を分析してください。ストレスを減らすだけでなく、できれば学校生活に楽しみややりがいが持てるものを子どもと一緒に探せるとよいでしょう。養護教諭は他の教員とは異なる立場なので、子どもが悩みを話しやすいことがあります。保健室が学校の中で最も居心地が良いと思える子どももいますので、ストレスを抱えた子どもたちにとってリラックスできる居場所になるようにしていただければと思います。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

 本田秀夫さんに聞きたい子育ての悩みや質問を受け付けます。住所、氏名、年齢、職業を明記し、郵便番号400-8515、甲府市北口2の6の10、山梨日日新聞社文化・くらし報道部「にじいろ子育て」係まで。ファクス055(231)3161、メールseikatu@sannichi.co.jp、「さんにち生活」のLINEアカウントでも受け付けます。紙上匿名。採用されない場合もあります。

「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。