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<20>自己中心的な行動 自分への影響、学ばせて

2021年1月27日
譲り合って

譲り合って

【Q】 3歳の娘の母親です。保育園では、友達とオモチャを譲り合い遊んでいるようですが、先日公園に遊びに行った際、知らない子どもと遊具の順番をめぐってトラブルになりました。娘が「私が遊ぶ!」と言って譲りません。注意すれば渋々親の話を聞きますが、親の目のないところで自己中心的なふるまいをしていないか気になります。

【A】 子どもがオモチャや遊具で遊ぶとき、他の子と譲り合いながら遊ぶことや順番を守ることなどのマナーやルールを守らせたいと思う気持ちは、とてもよくわかります。でも、小さい子どもがマナーやルールを守ることは、そう簡単ではありません。
 マナーやルールには、「守らないと他者に危険や被害を及ぼすおそれがある」という側面と、「守らないと自分に影響が跳ね返ってくる」という側面があります。前者の側面が大きい代表的な例は交通ルールなどで、これらが必要であることは、間違いありません。一方、後者の側面が大きいマナーの代表的な例が、「あいさつの習慣」などでしょう。守らない人がその社会集団で不利な立場に置かれることがあります。
 これら二つの側面では、前者の方が重要です。しかし、小さい子どもには、自分の行動が他の子に被害を及ぼすと予想して自発的に譲ることは難しいでしょう。子どもにマナーやルールを教える際は、後者の側面から教える方がうまくいきます。守ると大人に褒められ、守らないと注意されて嫌な気持ちになるという自分への影響を予想することの方が簡単だからです。とるべき行動の見本を示して、守れば褒め、守らないときは注意することを繰り返していきましょう。とても魅力的な遊具が目の前にあるときは、譲り合いなどしている場合ではないと思うのは、小さい子どもではよくあることです。その場合は、大人が間に入ってトラブル防止に努めます。小さい子どもには、褒めることと注意することで守れる程度のマナーやルールしか教えられません。大人の目が届かなくても自分で判断できるようになるのは、もっと大きくなってからです。
 ただ、褒めることと注意することだけでマナーやルールを教えるだけでは、子どもが自分で考える習慣を身につけられません。人の目を気にするのではなく、自分の行動が他者や自分に及ぼす影響を予想して行動することを、その子がわかる範囲で徐々に教えていきたいものです。他者の気持ちを推測する力や因果関係を理解する力がもっとついてきたら、少しずつ教えていきましょう。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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