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<21>学校以外の居場所探し

2021年2月10日
楽しいと思える場所

楽しいと思える場所

気に入る場、積極確保を

【Q】 2歳半で発達障害を診断された6歳男児の母親です。息子は来年度小学校に入学します。保育園は集団活動になじめず、行くと疲れてしまうので、年少の冬から行かなくなりました。これから始まる学校生活が不安です。学校以外で所属感を得られる場所を見つけようかと思うのですが、何か困ることがあるでしょうか?

【A】 わが国の教育システムは、発達障害や外国人などのマイノリティー(少数派)にとって課題がたくさんあります。平均的な多数派の子ども向けに作られたカリキュラムを一斉指導の形で行う場面が多いため、理解力や文化的背景が多様な集団だと、マイノリティーの子どもたちが活動に楽しく参加できない場面が出てきます。このため、発達障害のある子どもたちが不登校になりやすいことが指摘されています。
 発達障害の子どもは、活動のテンポや興味の対象が独特であるために、授業を楽しいと思えない、休み時間の過ごし方が他児と合わないなどの問題が出やすくなります。また、感覚の過敏さのある場合、給食が食べられない、部屋のにおいで頭痛がする、制服の肌触りがつらいなどと感じる子どももいます。平均的な子どもなら楽しく参加できる活動でも、発達障害の子どもには我慢の連続となります。ただ参加するだけで、他児の何倍も疲れてしまうのです。また、発達障害の子どもはいじめ被害に遭うリスクも高くなります。
 学校が発達障害の子どもにとって「自分の居場所」と感じられるためには、学校側が相当に工夫しなければなりません。文部科学省は学習指導要領の中で、学校には多様な子どもへの対応を行う義務があることを明記しています。障害のある子どもがクラスにいる場合の配慮についても、ホームページなどで例を挙げて説明しています。保護者は、学校や教育委員会と相談しながら、子どもが楽しいと感じられるような授業や活動の工夫を希望してよいのです。
 ただ、どうしても学校が本人にとって居心地がよくならないこともあるので、学校以外に居場所となる場を見つけておくことは必要です。この点についても文部科学省は、不登校への対策の一環として多様な学びの場を確保することを認めています。一部の学校で、他に居場所を見つけることを快く思われなかったという話を聞きますが、それは文部科学省の方針と異なるものです。運悪く学校を楽しく感じられなくなる可能性はいつでもあり得ますので、他に本人が楽しいと思える場所があれば、積極的に確保しておきましょう。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。