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<23>思春期以降どう関わる

2021年3月10日
親も自分をねぎらって…

親も自分をねぎらって…

親からの干渉は避けて

 Q  発達障害の傾向のある大学生と高校生の子どもに困っています。1人は自己主張が強く、いつも最後は親が折れることになります。中高の反抗期は大変でしたが、学校では友達は多くクラスの中心的存在でした。本人の意志を1番に考えて生活し、受験では第1志望校に合格しました。でも後で「親に足を引っ張られた」と言われました。もう1人は通わせた私立校が合わずに通信制に転校し、勉強は放棄して漫画家を目指しています。どのように子どもに向き合えばいいでしょうか。自分はこの2人の家政婦のように感じます。これからもこのスタンスの方がいいのでしょうか?

 A  親御さんの心労がうかがえるご質問です。子どものために頑張っているのに、「足を引っ張られた」とまで言われては、やるせない気持ちになるのも無理はありません。
 ただ、思春期以降は、親が子どものためによかれと思ってやることや助言が裏目に出ることが多くなります。子どもの視点に立つと、親からの支配から脱出して独自の進路を歩もうとする時期です。同じ内容の助言でも外部の大人に言われると素直に受け入れられるのに、親に言われると「干渉された」と反発したくなります。2人とも、親の支配から逃れたい、親の想定していたのとは違う進路に進みたいという意志が感じられますので、もう干渉しない方がよいでしょう。
 お子さん方に発達障害の傾向があるとのことです。将来独り立ちして生活できるのか心配で、通常の子育てに比べると親の側が「子離れ」できていない可能性があります。発達障害の傾向があっても思春期以降の心理として親から気持ちが離れていくことに変わりはありません。将来、発達障害の傾向があることによって就労などでつまずく可能性があるならば、親以外の相談相手として、できれば発達障害のことがわかる医療や福祉の支援者とつながりを持っておくのがよいと思います。お子さん方には、そのような人たちからの助言の方が、親の助言より有用と感じられると思います。
 「家政婦のような生活」と書かれているところは、少し気になります。「子どもに尽くすことが親の義務だ」という気持ちが強すぎるのかもしれません。お子さんたちの気持ちが親から離れているのであれば、親の側もそこまで尽くす必要はありません。これまでの努力が報われないという気持ちがあるでしょうが、子育てとはそんなものです。ご自身で労をねぎらい、子育て以外の楽しみを探してみてはいかがでしょうか?
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。