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<28>障害のある子 学校どうする

2021年5月26日
オーダーメードの教育を求めて

オーダーメードの教育を求めて

適切な環境求め協議を

 【Q】 6歳の自閉スペクトラム症の子を持つ父親です。特別支援学校に入学させたいと希望しましたが、教育委員会からは「地域の小学校の特別支援学級」という判断を受けました。本人は両方を見学して「特別支援学校がいい」と言っています。本人や家族の希望はかなわないのでしょうか。

 【A】   障害のある子どもの就学については、学校教育法施行令に沿って地域の教育委員会で判定を受けることになっています。2013年の一部改正で、従来の一律的な振り分けを改め、子どもの障害の状況や地域の体制の整備状況によって総合的に判断することになり、その際には専門家の意見と保護者の意見を聴き、保護者の意見は可能な限り尊重することになりました。
 しかし、ご質問のお子さんの場合、本人と保護者の希望が反映されにくいようです。この場合、二つの可能性があります。一つは、主治医などの専門家の意見が本人や保護者と異なっている場合です。もう一つは、お子さんの診断に知的障害が含まれない場合です。
 自閉スペクトラム症の子が特別支援学校を検討する場合、通常は知的障害特別支援学校が適するかどうかが論点となります。自閉スペクトラム症があっても知的障害がないと対象外とされることが多いようです。
 前述の施行令の中で、知的障害は(1)知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度のもの(2)知的発達の遅滞の程度が前号に掲げる程度に達しないもののうち、社会生活への適応が著しく困難なもの-と記載されています。自閉スペクトラム症のために意思疎通が困難であれば、知能指数が高くても要件を満たす場合はあると個人的には思います。
 障害のある子どもにとって、適切な学習環境の確保は極めて重要です。わが国の特別支援教育体制では、多様な学びの場を用意して、一人ひとりに応じたオーダーメードの教育を保証することを目指しています。しかし現場では、理想と現実、建前と本音、本人と保護者と学校側の認識のずれなどのはざまで、学校選び、学級選びが必ずしもスムーズにいかないこともあります。
 特別支援学校は生活動作や実技的な学習が多く、教科学習の割合が低くなります。課外活動や行事は障害の特性に合わせた配慮がされており、感覚過敏などの個別の対応も行いやすいのが特徴です。これらをふまえて、特別支援学校を本人と保護者が強く希望するのであれば、教育委員会と再度話し合ってみてはいかがでしょうか。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

 本田秀夫さんに聞きたい子育ての悩みや質問を受け付けます。住所、氏名、年齢、職業を明記し、郵便番号400-8515、甲府市北口2の6の10、山梨日日新聞社文化・くらし報道部「にじいろ子育て」係まで。ファクス055(231)3161、メールseikatu@sannichi.co.jp。紙上匿名。採用されない場合もあります。

「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。