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<29>家庭訪問 玄関先で?学校で?

2021年6月9日
保護者と教師、家庭訪問への思いは・・

保護者と教師、家庭訪問への思いは・・

面談方法 個別に合意を

 【Q】  子どもが通う小学校は年1回、家庭訪問を行っています。コロナ禍の今年は玄関先で5分ほど担任と保護者が話す形に。学校で面談する形を採る学校もあるようです。保護者の立場からすると、先生が家に来るのは緊張します。玄関先で話す程度なら、学校での面談でもよいのではないかと思います。

 【A】  小中学生は、生活時間の大半を家庭と学校で過ごします。子どもたちの中には、家では楽しそうでも学校ではおとなしいなど、家庭と学校での様子が違う子もいます。わが子が学校でどのように過ごしているか、気になる保護者が多いのではないかと思います。
 教師も事情は同じです。良心的できめ細かい教育をしたいと考えている教師は、いま目の前にいる子どもの様子だけではなく、家庭での様子や家族の育児方針などを把握しておきたいと思うものです。経済状態や家族の病気など、各家庭の抱える背景は子どもの学校生活に微妙に影響を及ぼします。そのような事情に配慮しながら、少しでも充実した学校生活が送れるようにしたいというのが家庭訪問を行う学校側の考え方であり、これはとても大事なことだと私自身は思います。
 一方、担任による家庭訪問に抵抗を感じる保護者もいます。プライバシー保護の観点から言えば、同意がないのに家庭の状況を聴取すべきではありません。理由はいろいろあるでしょう。生活背景を把握するという家庭訪問の趣旨に同意できない場合は断っていいと思います。
 「子どもの家庭での生活状況を把握することで、よりよい教育を提供したい」という学校側の意図。「プライバシーをある程度は守りたい」などの保護者の気持ち。大事なのは、両者がそれぞれの考えをしっかり認識した上で、家庭訪問を行うかどうか、行うのであれば家の中に入るのか、それとも玄関で立ち話の形で行うのか、あるいは学校で面談するかなど、方針を個別に話し合って合意しながら行うことだと思います。
 最近は家庭訪問自体を一斉に取りやめた学校があるという話も聞きますが、それはそれで全体主義的で極端すぎると思います。
 特殊なケースとしては、家庭で子どもが虐待(身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト)を受けている可能性がある場合があります。この場合、学校は保護者の意向より子どもの安全を第一に考えて、家庭訪問を積極的に行い、児童相談所への通告も検討する必要があります。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。