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<30>判断するための情報を

2021年6月23日
見て、判断して、動く

見て、判断して、動く

障害ある子 指示どこまで

 Q  自閉スペクトラム症と診断されている6歳の男児の母親です。状況を見て動くことが苦手で、これまでは「いまはこう、次はこう…」と行動の指示を出してきました。ルールを守って横断歩道を渡る、汗をかいたら上着を脱ぐ、など日常の動作も身につかず困っています。どのように関わればいいのでしょうか。

 A  「状況を見て動くこと」は「状況を見ること」と「動くこと」という二つの要素から成り立っています。そして、さらにもう一つ、「判断すること」という要素が隠されています。
 何かについて1人で状況を見て動けるようになるためには、これら三つの要素すべてが一定の段階まで発達しなければなりません。多くの場合、状況を見る力や判断する力よりも、動く力の方が先に身につきます。だから状況を見て判断するまでを親が行い、動く部分だけを子どもに指示する形になりがちです。
 まだ信号のルールを全く理解できない段階の子どもに1人で横断歩道を渡らせるのはとても危険なので、親は手をつないで一緒に渡ります。ある程度、親の言葉を理解して指示に従えるようになると、「行くよ」「止まるよ」などと、その場でとるべき行動について言葉で指示するようになります。でも、それだけではいつまでたっても子どもは1人で横断歩道を渡れるようにはなりません。
 重要なのは、どう行動するか、自分で判断できるようになることです。判断するためには、情報とそれを理解する力が必要です。子どもは「いまは青信号が点灯している」と分かれば、「渡ろう」と判断して行動できますし、「いまは赤信号だ」と分かれば、「止まろう」と判断して止まることができます。
 信号の情報を理解するためには、赤・青・黄色を見分けられること、それぞれの色の点灯・点滅の意味を理解すること、そして信号のある横断歩道に差しかかったときに自発的に信号を見ようとする習慣がつくことが必要です。
 色の区別や点灯・点滅の意味は分かるのに信号に気付くのが苦手な子どもの場合、「信号があるよ」と伝えて本人が自分で信号を見れば判断できます。色の区別はできるのに点滅・点灯の意味が分からない子どもなら、「赤のときは『止まれ』だよ」などと説明しながら横断し、子どもが信号の意味を理解するのを待ちます。
 汗をかいたら上着を脱ぐ、という行動を教える場合も同様です。子どもが何をどこまで理解しているかを把握し、子どもが自分で状況を見て判断できるように情報を伝えることを心がけていただければと思います。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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