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<31>小学校低学年の反抗

2021年7月14日
子どもの反抗は、親の支配的な態度や過干渉の反映かも

子どもの反抗は、親の支配的な態度や過干渉の反映かも

過干渉要因か 見直しを

 Q  小学2年生の男の子の母親です。小学校に入ってから親の言うことに口答えすることが多くなりました。インターネットで「中間反抗期」という言葉を見たのですが、うちの子は中間反抗期にいるのでしょうか?

 A  ここ数年、インターネットなどで紹介される子育て情報で「中間反抗期」という言葉が使われることが増えてきました。検索すると「『中間反抗期』というのがあるのをご存じですか?」などの表題が次々と出てきます。大半がこの10年以内に書かれたものです。
 「中間反抗期」は1980年代ごろから、小児科医の平井信義先生が使い始めた言葉のようです。子どもが2~3歳と思春期に大人たちに対して反抗的な言動を示すことは、世界中で古くから知られています。平井先生は、それに加えて小学校低学年ごろの口答えがさかんになる時期を「中間反抗期」と名づけ、注目を促しました。
 しかし、心理学・精神医学のなかで広く定着したわけではなく、専門書・専門誌でこの用語が出てくることは多くはありません。
 むしろ、最近になって一般向けのインターネット記事で「中間反抗期」を取り上げることが増えてきた意味を考える必要があると思います。
 辞書で「反抗」を調べると、「長上や権威・権力に従わないこと」と書かれています。不本意なことを命令されたとき、人は反発を感じ、反抗します。自分を従わせようとする圧力が強いほど、反抗も強く現れます。親が子どもの反抗を感じるとき、裏を返せば子どもは親の強い圧力を感じているのです。
 2~3歳の時期と思春期には子どもの自然な成長のなかで自立心が芽生え、多くの親が何を言っても子どもは反発します。古くからそのことを親たちは経験し、伝承してきました。一方、小学校低学年の時期は、子どもが社会集団のなかで自発的に勤勉さを身につける時期です。この時期に親への口答えが目立つとすると、親の圧力や干渉が強過ぎる可能性もあります。
 近年、「中間反抗期」がことさらに注目されるのは「子どもを自分の思い通りに行動させよう」という、支配的な態度の親や過干渉な親が増えていることの反映かもしれません。
 平井先生は「中間反抗期」を問題視していたわけではなく、子どもの意欲・自発性が育つためには「反抗」が重要であり、親に素直に従っている子どもがむしろ心配であると述べておられました。小学校低学年の子どもの反抗が気になるとき、親は自分が子どもに支配的過ぎないか、干渉し過ぎていないかどうかを見直してみる必要があります。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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