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<32>家庭での性教育は?

2021年7月28日
性についてどう伝えよう

性についてどう伝えよう

発達と興味に合わせて

 Q  3歳の男の子の母親です。最近、ちんちんに興味を持つようになりました。まだ早いとは思いますが、性に関することを家庭でどのように取り上げていけばよいでしょうか? 小学生の子どもがいる知り合いは、テレビでキスシーンが出てきたとき、どうすればよいか困ったと言っていました。

 A  以前、幼児期の子どもがキスやハグをすることについての考え方を述べました(第22回)。今回は、小学生のいる家庭で性に関してどのように教えていくかについて述べたいと思います。
 わが国は、学校教育の中で性教育が十分に行われているとはいえない状況にあります。子どものいる親たちの多くが、自分自身も性に関する教育を適切な形で受けてきてはいないと思われます。性について子どもと話すのは恥ずかしい、気まずい、と感じるかもしれません。しかし、将来子どもたちが性犯罪やDVなどの被害から身を守り、健康な生活を送るためにも、親や教師が計画的に教えていくようにしたいものです。
 子どもたちには、少し上の世代からの口コミの情報や、テレビやインターネットから流れてくる情報で、性的な話題は興味があっても公然と口にするのははばかられるという雰囲気を感じます。子どもに性に関する知識を教えるときは、教える側が恥ずかしがったり、ひそひそ話で教えたりするのではなく、平静な雰囲気で淡々と伝える方が、この話題の大切さが子どもに伝わるでしょう。
 教える内容は、子どもの心身の発達段階と興味に合わせて順次進めていきます。幼児期の子どもは性よりも排せつへの関心の一環として性器に興味を持ちます。その後、学童期から思春期にかけて、赤ちゃんがどこから出てくるのか、受精の仕組みなどへと興味が進んでいきます。思春期になると、自分の身体にも変化が生じます。こうした生物学的な知識に対する好奇心や不安に応じて、子どもにわかる言葉を使って説明してみてください。
 また、生物学的な性別と自分が認識している性(性自認)に違いのある「性別違和」や、恋愛・性愛がどのような対象に向かうかという「性的指向」の多様性についても、丁寧に教えていく必要があります。多様な性自認や性的志向があることは、決して珍しくありません。これを頭ごなしに否定し、偏見を表明することは、子どもたちの心の健康を大きくゆがめるおそれがあります。これも、事実として多様性があることを淡々と説明することによって、子どもたちが知識として自然に受け入れやすいよう配慮してください。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。