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<33>オモチャ投げる子には?

2021年8月11日
オモチャを投げる子には…

オモチャを投げる子には…

注意そらして予防を

 Q  1歳半の男の子がいます。最近、オモチャを面白がって投げるようになりました。インターネットで「投げてよいものを代わりに与えるとよい」という書き込みを見たのですが、子どもに「ダメなものはダメ」ということを教えてはいけないのでしょうか?

 A  子どもにやってはいけないことを教えるのは、簡単ではありません。インターネットにはいろいろな意見が書き込まれていますが、どれを試してもなかなかしっくりこないと感じている方もいるでしょう。
 やってはいけないことをやらないようになるには、「やっていいこと」と「やってはいけないこと」を判断する力と、「やりたい」という衝動を抑え込む力が育つ必要があります。どちらも、幼児期のうちに身につけることはできません。
 やめさせるのに絶対に叱ってはいけないわけではありません。ただ、すぐ叱らないと危険で、かつ叱れば確実に子どもがやめるとわかっている場面に限るべきです。叱られて子どもがやめるのは、怖かったからにすぎません。まだ「やったら叱られる」と予想できない子どもや、やりたい衝動に負けてしまう子どもは、何度叱られても繰り返します。もしやらなくなったとしても、叱られるのが怖くておとなしくしているだけです。これだと、「やっていいこと/いけないこと」を自分で判断する力は育ちません。
 一方、「やってはいけないことの代わりにやってよいことを教える」という考え方を、近年よく耳にします。投げると危ないオモチャの代わりにボールを与えるというやり方です。これだと「ボールならいつでもどこでも投げてよい」と子どもが誤解するおそれがあります。実際にはボールでも投げてはいけない場所があるので、このやり方もあまりお勧めできません。
 判断力や衝動を抑える力が不十分な時期には、予防することと注意を他にそらすことで乗り切るのが最も理想的です。ものを投げることの多い子どもに対しては、投げてはいけないものを子どもの近くに置かないことが基本です。子どもだけで遊ばせず、大人がそばについて、子どもが投げることを思いつく前に他の遊びに誘って注意をそらすのです。
 それでも子どもがものを投げようとしたときは、すばやくそれを取り上げる、あるいは抑え気味に鋭く「ダメ」または「○○ちゃん」と名前を呼んで真顔で子どもの顔を見る、などを試みるとよいでしょう。ふだん笑顔で穏やかに接していれば、ちょっと声のトーンを変えて真顔になる程度でも子どもはやめる可能性があります。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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