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<34>夏休みの宿題 管理しきれず

2021年8月25日
宿題は自分の力で終わらせた?

宿題は自分の力で終わらせた?

個人差無視では不適切

 Q  6歳の女の子の父親です。子どもが夏休みの宿題に追われています。「夏休みの友」や絵日記のほか毎日行う計算練習もあり、自分ですべてを把握できていません。親がその把握、管理に追われている状況です。子どもが自分で管理できないような宿題は、課題として不適切なのではないかと思ってしまいます。

 A  義務教育ですべての児童生徒に対して同じ難易度、同じ量で一律に出される宿題は、「百害あって一利なし」です。
 学力には個人差があります。それなのに全員同じ内容と量の宿題を出されると、短時間で楽にできてしまう子どもや長時間かけても終えられない子ども、そして宿題自体を自分で管理できなくなってしまう子どもなど、さまざまな結果になります。これは不公平であり、重大な差別行為です。
 勉強の得意な子どもは宿題などなくても内容は分かっているので、簡単すぎる宿題は時間の無駄です。分かりきったことを反復させられて、かえって興味を失うかもしれません。勉強が苦手な子どもには長時間の苦役となり、勉強がどんどん嫌いになるだけです。
 親が子どもの宿題を管理せざるを得ない事態もおかしいです。民間の教育関係機関などのアンケートでは、親が子どもの宿題を一部手伝っているという家庭が多いことが報告されています。先生もそれを知っているのに宿題を見直そうとしない。そんな状況をおかしいと思う先生は、現場にいないのでしょうか?
 高校以降の宿題は、本人の選択したコースの中で出されるものなので構いません。むしろ、本人が望んで進学しているのですから、ある程度は必要だと思います。問題は、義務教育という、子どもに選択の余地のないカリキュラムの中で、個々の学力や興味の違いを全く考慮せずに一律の宿題を出すことです。
 どんな人でも興味があることについては自ら調べ、練習し、上達しようとします。ただ、残念なことに、何に興味を持つか、何が得意になるかは個人差が大きく、大人の思い通りにはいきません。運よく学校で習うことに興味が持てる子や習うペースが合っている子どもはよいですが、学校で教わらないことの中に将来伸びる芽があるような子どもの場合、大して得るところのない宿題を一律に課せられることで、貴重な時間を無駄に浪費してしまいます。
 もしお子さんが宿題を自分で管理できず、多くの時間を費やしてしまう、あるいは宿題をめぐって親子の摩擦が絶えないようであれば、その宿題自体がお子さんには不適切なのだと思います。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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