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<37>習い事をやめたがる

2021年10月13日
進むのかやめるのか。決めるのは自分

進むのかやめるのか。決めるのは自分

相談し、判断する力養う

 Q  小学1年生の子どもがいます。運動系の習い事に行っていましたが、最近嫌がって行かなくなりました。親としては、体力や社会性を身につけるために行ってほしいと思っています。ほかにやりたいことがあるとか、明確な理由で行かなくなったわけではありません。このままだと「やめ癖」がついてしまうのではないかと気になっています。

 A  結論から言うと、本人が嫌がる習い事を子どもに続けさせるのは、全くお勧めできません。
 子どもが習い事を嫌がる理由は、いくつか考えられます。習い事の内容に興味がない場合、能力的に向いていない場合などは、その習い事を選ぶこと自体に無理があります。運動は好きだけれど、入会した教室のやり方が合わない場合もあります。一緒に習う子ども同士の相性が悪く、けんかが絶えないというケースもあります。これらの理由は正当なものです。本人が嫌がるのであれば、さっさとやめてしまうのが教育的です。
 スポーツ選手が「つらい練習に耐えて続けたから優勝できた」などと発言するのを聞くと、つらくても頑張り続けることが大事だと考えたくなります。しかし、そのような選手たちがつらい練習に耐えられたのは、その競技が好きであり、上達したいという目標を持っていたからです。目標など持っていない低年齢の子どもに、嫌がるのを黙らせて無理に練習させるのは、「泣き寝入り」を強制することに他なりません。
 「やめ癖」を気にされていますが、お子さんが身につけるべき最も大事な力は「他者に相談しながら自分で判断する力」です。習い事を始めるかどうか、やめるかどうかは、自分で決めるべきことです。やめたくなったら「やめたい」と親に相談して承認を受けるという手続きも必要です。親が無理やり習い事を始めさせたり、やめたがるのを阻止したりしていると、子どもは相談せず隠れて行動するようになります。もしお子さんを本当に自立させたいと思うのなら、「自己判断力と相談力」を身につけるのと「泣き寝入りと人に隠れて行動する習慣」を身につけるのと、どちらがよいかをよく考えてください。
 習い事は、子どもが好きなことや得意なことを中心にするのがよいのです。好きなことであっても途中でやめたくなることはありますが、その都度子どもが自分で考えてどうするかを自分で判断することが大切です。子どもがやりたいことを無視して親がやらせたいことを強引に押し通すのは、心理的虐待に足を一歩踏み入れている行為だと認識してください。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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