ホーム
最新
山梨
全国・海外
スポーツ
Eye
安心・安全情報
おくやみ・催し・人事
写真・動画
分かる・知る
山梨日日新聞社インフォメーションサイト

<38>習い事 どう見守る

2021年10月27日
続けるかやめるのか、決めるのは子どもの自由意思

続けるかやめるのか、決めるのは子どもの自由意思

子どもの意思に委ねる

 Q  前回の習い事の記事を読みました。書かれたことは理解でき、そう意識したいと思います。ただ、習い事などを通じて、現在の本人の興味関心の外にあることを体験させて視野を広げてあげたいし、一度決めたことをやり抜く経験もしてほしいと思ってしまいます。習い事をさせるときのステップはどうしたらいいでしょうか。子どもが自分で「やりたい」と決めた習い事に対してやる気が出ないとき、どんなふうに関わったらいいかもあわせて教えてください。

 A  習い事に関して保護者にできること、やってよいことは、子どもが自分の力では知り得ない情報を教えることだけです。情報がないと興味の持ちようがありません。したがって「こんな習い事があるよ」と保護者が子どもに伝えることは、積極的にやっていただいて問題ありません。
 しかし、その情報を聞いた後にやるかどうか、あるいはやり始めたとして続けるかどうかを決めるのは、100パーセント子どもの自由意思に任せるべきです。やるのも自由、やめるのも自由。もちろん、ご家庭の経済事情の範囲の中でということにはなりますが。
 一度決めたことをやり抜くことは、決して価値が高いことではありません。中国に「君子は豹変す」ということわざがあります。「立派な人物は、過ちに気づけば即座にそれを改め正しい道に戻る」という意味です。すなわち、状況によって態度や考えを変えられることが大事だと言っているのです。
 子どもがさまざまな経験をするには、試行錯誤が必要不可欠です。少しでも「やってみたい」と思ったら気軽に始められる方がいろいろな経験ができます。運よくやり始めたことが楽しい、やりがいがあると思えた場合には、続けるかもしれません。それもお子さんの自由です。でも「合わない」「やる気が出ない」と思ったら潔くやめること。これを繰り返すのです。もし「一度始めたらやり通せ」と言われると、試行錯誤できず、自分に向いていることを見つけるチャンスが減るかもしれません。また「いったん始めたらやめさせてもらえない」と思うと気軽に始めることができなくなります。
 やると決めたらやり抜くことは人生の中でいくつかあれば十分です。それを決めるのは青年期以降、ある程度人生の目標ができてからでよいでしょう。まだ小さいうちからそんなことをさせると、お子さんの人生を狭く限定し、追い詰めるリスクが高まります。
 やりたいと言って始めたことなのにやる気が出ない場合どうするかは本人が決めることです。しばらくは「続けろ」と言っても「やめろ」と言っても、それがプレッシャーになって本人の自由な判断を阻むことになります。何も言わずに見守っているのがよいでしょう。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

 本田秀夫さんに聞きたい子育ての悩みや質問を受け付けます。住所、氏名、年齢、職業を明記し、郵便番号400-8515、甲府市北口2の6の10、山梨日日新聞社文化・くらし報道部「にじいろ子育て」係まで。ファクス055(231)3161、メールseikatu@sannichi.co.jp、「さんにち生活」のLINEアカウント(QRコードを読み込んで友だち登録する)でも受け付けます。紙上匿名。採用されない場合もあります。

「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。