「グレイスワイン」ブランドの中央葡萄酒(甲州市勝沼町、三沢茂計社長)は、北杜市明野町にある自社管理農場「三澤農場」の甲州種を使った新たな最高峰ブランド「三澤甲州2020」をリリースした。「三澤甲州」は、2014年に世界最大のワインコンクール「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード」で日本ワイン初の金賞受賞した「キュヴェ三澤 明野甲州」が名前を変えてバージョンアップ。日本のワイナリーで初めて畑の土着酵母を使い、甲州種では珍しい自然に行われたマロラクティック発酵(MLF)を取り入れて仕込んだ。香りの豊かさと複雑な味わいが特徴で、甲州種の新しい魅力を引き出した。
最高峰ブランドの一新は、17年に試験醸造として仕込んだ1樽(たる)が自然にMLFを起こしたのがきっかけだった。MLFは、アルコール発酵に続いて起こる反応で、ワインに含まれるリンゴ酸(有機酸の一つ)が乳酸菌の働きによって乳酸に変わることを指す。三澤農場の甲州種の有機酸組成を調べたところ、通常の甲州種では考えられないほど大量のリンゴ酸が含まれることが報告された。...
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