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<43>発達障害児のイライラ

2022年1月12日
何に納得できなかったの?

何に納得できなかったの?

我慢禁物、まずは聞いて

   小学3年生の女子で、自閉スペクトラム症により支援級に在籍していますが、昨年10月から不登校です。放課後等デイサービスへは毎日通所していますが、責任者を嫌っていて、休日もその人のことを思い出してイライラしています。その人の対応でふに落ちないことがあったようです。以前通っていた放課後等デイサービスは嫌な職員がいて辞めました。我慢はできないのでしょうか? イライラしたときの対処法があれば教えてください。

   自閉スペクトラム症は、対人関係やコミュニケーションの臨機応変な対応が苦手であることと、興味や活動がパターン化しやすく融通が利かないことを特徴とする発達障害の一つのタイプです。物事の捉え方や感じ方が通常の人と異なることがあるため、皆が平気なことでも嫌な気持ちになることがあります。その逆もあります。
 また、一度経験したことをなかなか忘れられないときがあり、特に嫌な気持ちになったことの記憶が蓄積されて、何年もしてからそのことが突然脳裏に浮かんで情緒不安定な状態になることを繰り返す人もいます。これを「フラッシュバック」といいます。
 このお子さんは大人から納得のいかない接し方をされると、その記憶を忘れられずに苦しくなるのかもしれません。無理に我慢させると、数年後にもっと深刻な情緒面の問題で精神科治療が必要になるおそれがありますので、我慢は禁物です。
 お子さんがどんなところに納得できなかったのかを、まずは聞いてみてください。そして、それを自閉スペクトラム症の特性がわかる専門家に相談してください。自閉スペクトラム症特有の論理の筋道があり、それに沿って考えてみると本人の言い分の方が理にかなっていることが多いものです。
 何かを不審に思ったとき、そのことを聞いてくれて理解しようとしてくれる人がいるだけでも、気持ちが楽になることがあります。放課後等デイサービスの責任者の対応がふに落ちない場合でも、誰か他の大人がその不満を聞いてくれて共感してくれるだけで多少はスッキリして、引き続き通い続けても深刻なトラウマ(心的外傷)にならずにすむかもしれません。
 話を聞いてもらうだけでは嫌な気持ちが解消しない場合もあります。その場合は、責任者と話して謝ってもらうしかないでしょう。もし責任者がお子さんの言い分を頭から否定するようであれば、その責任者と会うだけでトラウマ体験が蓄積するおそれがあるので、もっとお子さんと相性のよい事業所を探す方がよいかもしれません。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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