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<45>起床時間軸にリズムを

2022年2月9日

「8時台就寝」難しい

 Q  3歳の女の子を保育園に預けて共働きしています。SNSの投稿で「子どもを午後8時台までに寝かせた方がいい」と読んだことがあるのですが、そうしないといけないのでしょうか。「早寝早起きする子は情緒が安定する。そのためには何時までに何を済ませて」などと書かれていましたが、共働きでは難しいです。

 A  大人、子どもに関わらず、心身の健康にとって良質な睡眠が重要であることは確かです。良質な睡眠を得るには、生活のリズムがある程度整っている必要があります。でも、子どもを午後8時台までに寝かせることは、絶対に必要というわけではありません。
 さまざまな生活スタイルの親たちがいる現代の日本社会で、すべての子どもを午後8時台に寝かせるのは難しいことです。共働きの親の場合、午後6時に園に迎えに行って帰宅し、夕食を食べさせて風呂に入れて午後8時台に寝かせる生活では、時間に追われて親子でゆっくり過ごす時間がとれません。また、保育園では昼寝の時間が長くとられているので、午後8時台にはまだ眠くならないという子どもが多いのではないでしょうか。それぞれの家庭で最も生活しやすいリズムの整え方を考えていくのがよいでしょう。
 生活のリズムを整えるには、就寝時間よりも起床時間を軸にして考えてみましょう。毎朝、余裕をもって朝食、着替え、支度ができるために必要な時間を考えて、起床時間を決めてください。理想的には平日・土日を問わず同じ時間に起きるとよいのですが、難しければ前後1時間程度ならずれても構いません。前日の就寝時間によらず、毎朝ほぼ同じ時間に起床するようにしていると、だんだん夜も一定の幅の時間帯で自然に眠くなってくるようになります。それが、その子にとって最適の就寝時間です。起床時間が一定で、日中に眠気や疲れを訴えずに機嫌よく過ごすことができていれば、問題ありません。
 育児書や子育て情報のウェブサイトなどの中には、生活スタイルの多様性に配慮せず、一律の目標をあたかもそれが親の義務であるかのように記述しているものが散見されます。このような記述は、親に過剰な負担を課して追い詰めることにつながりかねません。最近はSNSの子育て情報を参考にしている方も多いようですが、これらは素人のうわさ話の類いも多く含まれており、科学的根拠が乏しいものもあります。注意してください。どうしてもお子さんの生活リズムがうまく確立しないようであれば、小児科で相談してみてください。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)


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