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<46>発達障害児の薬物治療 補助的手段 慎重に利用

2022年2月23日
動き回る子ども。心配する場合のポイントは?

動き回る子ども。心配する場合のポイントは?

 Q  友人に、とても活発な息子がいる母親がいます。あまりに多動なため、受診したところ発達障害と診断され、薬を処方されたそうです。確かに活発でよく動き回りますが、薬を飲むほどではないのではないかと思います。本当に薬は必要なのでしょうか。

 A  発達障害のある子どもの一部に対して薬剤による治療が行われます。でも、子どものうちから精神科の薬を使うことには、抵抗のある人や批判的な意見がある人もいます。子どもは活発で動き回るくらいがちょうどよいという考え方もあると思います。
 多動な子どもの行動の問題に対しては、二つのことを確認する必要があります。
 まず、どのような場面でみられるかです。あらゆる場面で問題が目立つのか、それとも場面によって違うのかを確認します。一般に、子どもは感情が高ぶると多動になります。周囲に人が多いときや好きなオモチャがたくさんあるときなどは、多動になりやすいものです。一方、少人数で落ち着いた雰囲気の場面では行動も比較的落ち着きます。質問者がそのお子さんと接する場面と学校など刺激の多い場面とで、多動の目立ち方が異なっているかもしれません。
 もう一つ確認しておきたいのが、その行動の問題によって、お子さんあるいは周囲の人たちの生活にどの程度の支障が出ているかです。いくら子どもは活発なものだといっても、平均的な子どもに比べてあまりにも問題が大きいと活動が滞ってしまいます。例えば、学校ですぐに教室から飛び出してしまうようだと、そのたびに先生が対応しなければならず、授業がストップしてしまいます。
 多動の場合、複数の場面で生活に多大な支障が出るようであれば、注意欠如・多動症と診断される可能性があります。ただ、診断されたらすぐに薬物治療に踏み切るわけではありません。家庭や学校で、多動を誘発するような人や物の刺激を極力減らすことや、一つの課題をこなす時間を短くして休憩をこまめに入れるなどの調整を試みてもらいます。
 そのような調整だけではどうしても生活の支障が残る場合に、慎重に少量から薬物治療を始めていきます。また、子どもの多動は成長とともに目立たなくなることもあるので、定期的に休薬または減薬してみて薬を継続する必要があるかどうかを確かめます。
 発達障害に対する薬物治療はあくまで補助的手段ですので、服薬するメリットがある場合に限るべきであり、漫然と使い続けることには注意する必要があります。(本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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